2015/12/9 【アフリカ進化の湖展より】収斂進化
いよいよラストということで、しつこく煽りを。進化がテーマの企画展で、外せないキーワードそれは「収斂進化」。
収斂進化とは、「全くの別種であり、異なる進化の道を経ていながらも、互いに姿・形がそっくりであること」。そう解説パネル丸写しです。サメ(魚)とイルカ(哺乳類)、モモンガ(カンガルー目)とムササビ(ネズミ目)なんかがそうですかね。全然違う種なのに、似たような環境で似たような生活してたらいつのまにか似た形になっちゃった、ってことでしょうか。長年連れ添った夫婦が似てくる、みたいなもんか。いや夫婦は同じ種か。
各湖に、くちびるが肥大するタイプのシクリッドがいるようです。
「唇 肥大」で検索するとなんかエゲツないことになるので、キーワードには「シクリッド」を忘れず追加して下さい。世の中には唇肥大系のシクリッドマニアの方もいらっしゃるらしい。へぇー
ビクトリア湖からはハプロクロミス・キロテス(Haplochromis chilotes)。
おぉ、分厚い。
タンガニーカ湖からはロボキロテス・ラビアータス(Lobochilotes labiatus)。
この方が一番分厚くなってるぽい。なんかめくれかえってる!
マラウィ湖からはプラキドクロミス・ミロモ(Placidochromis milomo)。
こちらはまだ発達途上かな。下唇がちょっと突き出てる。
全然交流のない環境で、長い年月をかけて進化した結果似たような唇に、って面白いです。しかしよくこれだけ集めたものですねー!すごいです。ちょっと肥大具合が足りないからってゴチャゴチャ言うなっつーの。
くちびる肥大の他には「下向きの口」に収斂したみなさま方も。ホント、良く似てます。
おしゃれモーリー、今日はごきげん斜め。
収斂進化については、ロンギくんによる公式ブログもチェック。
ビクトリア湖シクリッド研究者に出会った ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.6|おもしろ飼育日記|世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ - 岐阜県各務原市の水族館
なんのために分厚くなるのか?はよくわかっていないようです。
(さすがに)全然気がつかなかったのですが、去年の魚類学会の年会シンポジウムで、東京工業大学の二階堂先生の発表があったようです。タイトルは「シクリッドにおける唇の肥大化の平行進化に関わる遺伝的基盤」。
最新の研究成果を子どもにもわかりやすく伝えてくれるアクア・トトさんの企画展、ほんとに素晴らしいです。
ところでくちびる軍団は、なんかお互いに隣りの水槽がすごく気になるみたいです。
みんなオスなのかな?特に左端・マラウィ湖のプラキドクロミス・ミロモ(黒い方)が、ロボキロテス・ラビアータス(白い方)が気に入らなくてしょうがないのか、ひっきりなしに追い払いに行ってました。
行って・見て・賢くなる企画展「アフリカ進化の湖」、今週末12/13(日)までです。お誘い合わせの上、世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふへどーぞー。