2017/9/30 「トト・ラボにオオサンショウウオ? 登場!」
昨日の今日ですが。
トトラボでオオサンショウウオ×チュウゴクオオサンショウウオの交雑個体が1日限定で展示されると聞いて駆けつけました。
ご存じの方も多いと思いますが、京都の鴨川水系では養殖業者による放流が原因とされる外来種チュウゴクオオサンショウウオと、在来のオオサンショウウオとの交雑が大きな問題となっています。
鴨川に生息するオオサンショウウオの多くは交雑個体に置き換わってしまっているそう。今日展示される交雑個体も鴨川で捕獲されたとのこと。普段はバックヤードで飼育されているそうです。
あーっと居ました。
これはなんという・・・愛らしさ。遺伝子汚染は由々しきことですが、生きもの自体に罪があるわけじゃないということを改めて感じます。駆除する立場の人は辛かろう。
あれっ、脱皮しているようです。
フワフワ~
豪快に食べ始めましたw
両生類の多くは自分の脱皮殻を食べちゃうんですねー。
あっというまに完食。
それ美味しいの?
全長70~80cmくらいでしょうか。これぐらいのサイズのオオサンショウウオは安佐動物園で一度見たかな?というくらいでほとんど馴染みがないのですが、よく動いて本当に面白いですね。
在来のオオサンショウウオと比べてどうでしょう。違いがわかるかな?
こちらは京都水族館で以前撮影した純粋なチュウゴクオオサンショウウオです。
パッと見、地色が薄くて暗色の部分が少ないですよね。あと目より先の部分が急激に扁平になっているような感じ。
こちらは東山動物園。同じく純粋なチュウゴクオオサンショウウオです。
こちらも白っぽいイメージですが、頭部は京都のと違って扁平な印象ですね。
チュウゴクとの交雑個体と純粋な在来オオサンショウウオとの外見の違いは、実はこれと言って決め手はないのだそう。確実に同定するためには遺伝子の解析に頼るしかないというところも、駆除を難しくしているのではと思われます。
京都水族館のパネルではチュウゴクは「イボが対になっている」という記述もありました。こちらトトの交雑個体。確かに2個イチになってる部分も見られますが、この特長が現れない個体もいるのでしょう。
展示時間の間にはごはんタイムも。
ややっ、2回もありますね!大人のオオサンショウウオは確か週に1回とかそんな頻度だったのでは!?
実はこれくらいのサイズのオオサンショウウオはよく動くこともあってか、大人よりたくさん食べるのだそうです。成長期なのですね。観察していると呼吸も成体よりひっきりなしでした。
エサはアジの切り身です。キレイに3枚おろし。
撮れるかな撮れるかな。
ドキドキ。
\ バクッ!!! /
・・・一瞬でした・・・見えませんでした・・・・・・。
間近であくびをしてくれました。
ちょっとピンボケですがズラーッと細かな歯が並んでいるのがわかります。「川などで見かけても口の前に手を出さないように」とのことでした。さっきの給餌見たら絶対手を出す気にならないですよねw
岐阜県のオオサンショウウオについての解説もありました。現在3F長良川上流に展示されている個体が右上の写真になります。なに川か忘れたゴメンナサイ
2004年はアクア・トトさん開業の年ですね。ひどく傷付いた状態で保護されたため、感染症で体側中央部のヒダが欠損して繋がっていないのが、13年経った今でも見てとれます。よく頑張った。
外来種が日本に入ってきたから種数が増えた!生物多様性が豊かになった!なんて言う人がたまーにいますが、交雑が起こると日本の環境に合わせて絶妙に進化しながら遙か昔から連綿と命を繋いできた生きものがこの世から永遠に消えてしまうことになります。
生きものを無闇に自然に放さない、とても大切なことだと思います。勉強になりました。交雑個体くん、またいつかどこかでみんなに教えてあげてね。