きょうのアクアトト

世界淡水魚園水族館アクア・トト ぎふウォッチャー。週に一度はアクアトト。

2022/5/10 新企画展「スウィミングスタイル」始まりました!

新企画展「スウィミングスタイル」、とっくに始まっています。

スタート前日(4/15)にほぼ仕上がったところは見ていたんですけど、忙しくてなかなか見に来れないうちにGWに突入してしまい、本日ようやく正式観覧です。いや長かった。

今回の企画展は「さかなの泳ぎ方」がテーマです。

そういう観点での分類がちゃんとあるんですね。「体と尾ビレを動かすタイプ」と背ビレや胸ビレなど「その他のヒレを動かすタイプ」の2つに大別され、さらに細分化するとなんと泳ぎ方は13通りも!泳ぎ方にも多様性があるんですね~。

それでは今回も例によって最初に生体全部紹介しますね。ネタバレやだよー!って方はここまでで。

最初のブロックは「体と尾ビレを動かすタイプ」から。まずは骨格標本で魚の基本的なつくりを観察しましょう。これなんの魚かな。タイの仲間??

マグロ型アジ型の動画解説に続きまして、最初の生体はオニボラ Ellochelon vaigiensis、「準アジ型」です。「おおよそ体の後ろ半分を左右に動かして泳ぎます」。

胸ビレが印象的なオニボラですが、推進力は下半身のうねうねなんですね。アジ型は体の後ろ1/3を動かすそうなので、1/2を使うの準アジはさらにうねうね度が高いということか。準アジ型の代表的な種類はサケ、コイ、ボラの仲間。常設水槽でもたくさん観察できますね。

続いて川で泳ぐさかなチームです。


まずは「ウナギ型」、ニホンウナギでしょと思いきや。

シルバーアロワナ Osteoglossum bicirrhosum です。ははあ、きれいですね~!柔らかい体を左右に波打つように動かして泳ぐウナギ型、カレイの仲間もこれに相当するそうです。

続いて「ナギナタナマズ」。お馴染みブラックゴースト Apteronotus albifrons です。

ナギナタナマズの仲間、常設だとスポッテッドインディアンナイフ、チタラ・ロピス、アフリカンナイフフィッシュが居ますね。体の下側のヒレをうねうねさせて泳ぎます。これなにビレなの? ブラックゴースト、横になったり縦になったり、フワフワと不思議な泳ぎ方。ですがFishbaseによりますと流れの速い小川に生息しているようなので、野外だとこんなにのんびりした佇まいではないのかもしれません。

アミア型」は可愛いサイズのジムナルカス  Gymnarchus niloticus

以前常設で人気者だったジムナルカス。ちっちゃいときはこんなに可愛いんですね^^ 今日は隠れてよく見えなかったのでスタート前日の写真で。ナギナタナマズ型とは逆に背側(背ビレ)を波打たせて泳ぎます。アミア型にはほかにリュウグウノツカイ、タチウオの仲間など。リュウグウノツカイ、確かに…。

続きましてはサンゴ礁で暮らす魚チーム。

「地形が複雑なため小回りのできる泳ぎ方をする魚が多く見られます」。ナルホド。体ではなくヒレを使うタイプが多いのですね。

いきなり最初に難解なのが来ました。ヘコアユ Aeoliscus strigatus です。

存在自体は知っていますが間近で泳ぎを観察するのは初めてです。解説の図解を見ないと理解が及ばないのですが、「ウニの隙間に隠れる=立ち泳ぎ」に特化するため、背ビレがほぼ尾ビレな位置に付いているようです。ふむふむ、胸ビレ以外の全部のヒレを振動させる……ん?背ビレを尾ビレとみなしたとしても、13のどの型にも当てはまらないような??ところでヘコアユはアユとは関係なくて(そりゃそうだw)ヨウジウオやタツノオトシゴに近い仲間だそう。ゆるウニの模型も必見。

隣りの水槽は混泳水槽。まずは「ベラ型」のみなさん。ベラ、スズメダイが代表的な種類。淡水には居ないのかな

こちらはオヤビッチャ Abudefduf vaigiensisスズメダイの仲間。20cmになるそうなのでこの水槽に居るのはこどもかな?元気に胸ビレをパタパタして羽ばたいています。

こちらはクギベラ Gomphosus varius 。名前の通りのベラ型。

ベラの仲間らしい、とても綺麗な魚ですね。こちらもスイスイと飛ぶように、自由自在に泳ぎ回っています。

こちらの可愛らしいマーマレード色はキンギョハナダイ Pseudanthias squamipinnis 。キンギョハナダイ初登場だっけ…。

性転換するタイプの人たちですね。オスになると背ビレの第3棘がみょーんと糸状に伸びるようです。

ベラ型もう一種。デバスズメダイ Chromis viridis です。

こちらも淡いブルーがとてもきれい。下顎の歯が出ているから「出歯」スズメダイだそうですが(今調べた)、そこか、そこなのかという感じですね。軽快に泳ぎ回って可愛らしいです。

こちらは「カワハギ型」、「背ビレと尻ビレを波打つように動かして泳ぎます」。代表的な種類はモンガラカワハギの仲間と、おっディスカスもそうなんですね。ディスカス、居ることに気付いてる方少ないかもしれませんが常設最後のアマゾンの小川水槽に居てます。非常に臆病らしく、すぐに隠れてしまうので観察は容易ではないですが^^;

企画展の展示種はホシモンガラ Xanthichthys auromarginatus 。チョウチョみたいに上下のヒレをパタパタさせて華麗に泳ぎ回ります。しかしこの水槽、みんな美麗種ですね

次行きましょう、今度は急に括りが大きくなりました、「海で泳ぐさかな」です。


最初は「ハコフグ」。ミナミハコフグ Ostracion cubicus です。かわいい!ハコフグの仲間と言えばマンスリー水槽クリスマスのトナカイ役・コンゴウフグが記憶に新しいですね…と言おうと思ったらあれ2013年なんだ(衝撃)!

「それぞれのヒレを振るように動かして泳ぎます」とあって確かに背ビレ(第2背ビレ)・胸ビレ・尻ビレを振動させて推進していて尾ビレは舵取りしてるだけのように見えるのですが、最初の分類図だと「尾ビレで推進するチーム」に入るのか…うーんよくわからない。推進しているのは尾ビレをブン!って振ったとき、ってこと??こちらは「世界的な自動車メーカーが注目した泳ぎ」、解説にも注目です。

次です。「フグ型」はみんな履修済み・フグざんまいことフグの仲間!

ハチノジフグ Dichotomyctere ocellatus 続投です。うーんしかしほんとにミナミハコフグとの違いがよくわからないんですが。。観察が足りないのか。

海の仲間は続きまして「エイ型」。

今回の大型水槽はこちらアカエイ Hemitrygon akajei になります。アカエイも今日は底の方でお休みしていたので元気に泳ぎまわっていたスタート前日の写真を。アカエイは常設でも元気に泳ぎ回ってるのに遭遇するときありますね。底生生活をするエイの仲間の泳ぎ方だそうなので、ポルカドットやモトロもこれにあたるのかな。

最後のブロックは、おや、ちょっと括り方が変わりました「ナマズの仲間の泳ぎ」です。

同じ仲間でも、暮らす場所によって泳ぎ方が変わってくるよ、という展示。ナマズの仲間は世界に3,700種、南極大陸以外のすべての大陸に生息するため非常に多様性に富んでいて、ひとつのスウィミングスタイルには収まりきらないということですよね。思い出す、ナマズの夏2017。そしてこれはそれぞれが何型にあたるのかを考える最終試験かもしれない。レッツ観察。

こちらはカイヤン Pangasianodon hypophthalmus です。「大きな川を回遊するナマズ」。

2Fメコン川水槽で成体が観察されますが、こちらは赤ちゃんですね。かわゆいこと!小さい時はこんな風にしましま模様なのですね。なぜかみんな水槽の左の方に集まっています。さあ何型だ!?

こちらは「砂地に暮らすナマズ」チームか。

こちらはコリドラスの仲間 Corydoras spp です。ん?学名が…。この模様、エネウスぽいですね。写真撮ろうとしたら逃げられちゃった。

あと同じ水槽にはアジアクリスタルキャット Hyalobagrus ornatus も。

クリスタルの名の通り、体が透明なようです。コリドラスは南米、アジアクリスタルキャットはマレーシア・インドネシアに生息。大陸違うけど「底層付近でエサを探しながらゆっくり前進」、というところは共通?…だとすると同じ型になるのか、ならないのか、どっちなんだい(見に来てね!)。

最後です。「流れの速い場所に暮らすナマズ」、ピクタスキャット Pimelodus pictus 。既視感ありますがこちらも初登場か。

速いです、速い速い!速すぎて写真ブレました(言い訳)。というわけで今回も17種にものぼるアツい生体展示!ほかに興味深い映像資料や標本、パネル展示も盛りだくさんです。新企画展「スウィミングスタイル」、ぜひ見に来てくださいね~。