2021/12/31 エゾサンショウウオの幼形成熟個体
さて展示開始から2週間以上経ち、きょうトトの周囲の両生類好きのみなさんもほぼ見に来られたようなのでいよいよ記事にしようかと思います。
「約90年ぶりの発見!エゾサンショウウオの幼形成熟個体」。
こちらは展示初日の様子です。ニュースに添えられた画像は見ていましたが実際に目にすると本当に衝撃的……!
外鰓のついた幼生の顔、そして幼生の皮膚感なのに、体形が完全に成体のバランスです。脳がなかなかその存在を受け入れてくれませんw 展示開始一週間後くらいに東京からわざわざ見に来てくれたカエル偏愛図鑑のSくんが、最初に見た瞬間に「えぇ…」と言ったきり言葉を失い、大きくのけ反って水槽から後ずさりしたんですが、そのまんまきょうトトの初見と全く同じリアクションでちょっとおかしかったです。いやそれくらい衝撃的。
初日の朝に水槽に移動したとのことで慣れていなかったのか、この日はかなり水槽内を動き回ってくれました。めっちゃ手前に来た!
まだ赤い外鰓がよく観察できます。口がむにっとしてるとこが可愛らしいw
頭だけ見ると完全に幼生です。
そういえば過去にエゾサンショウウオの幼生の特別展示ありましたね。
そう、「頭でっかち幼生」、表現型可塑性の展示です。懐かしい…2015年なのでもう5年以上も前になるのか。
ご覧ください、完全に一致です笑。頭でっかちの件と言い、エゾサンショウウオってなんか特殊な感じしますよね。分類的にはどんな感じなんだろうかなと思って今年出た「新日本両生爬虫類図鑑」をめくったら「分子系統学的改正の結果も、この種が多種からかけ離れており、最初に分岐したことを示している」とあります。その後の記述に倶多楽湖のネオテニーの話も出てきてる。けど「その後全く再発見されていない」と続いてて……こ…これは……モニョモニョ…
隣りには通常のエゾサンショウウオの成体も展示されていますので、サンショウウオに詳しくない方であっても見比べてその違い余りの違いに驚くことでしょう。しかしエゾ、エゾはかわいいな!
1924年に発見された倶多楽湖のネオテニー個体群は1932年の採集を最後に、湖への養殖魚(ヒメマス)の導入により絶滅したとされています。惜しいことです。きょうトトもよく渓流にサンショウウオを観察しに行きますが、堰堤に幾重にも阻まれた先でイワナやアマゴを見ることがあります。釣りの為の放流によってサンショウウオの幼生が被害に遭っている場所もあるようです。安易な放流は本当にやめてほしい。。。
公式ブログで展示に至るまでの経緯を読むとより胸熱です。これから来られる方はぜひご一読を^^
展示終了時期は未定とのことですので、この貴重な機会をぜひお見逃しなく、早めのお越しをお勧めします\(^^)/