きょうのアクアトト

世界淡水魚園水族館アクア・トト ぎふウォッチャー。週に一度はアクアトト。

2023/5/25 企画展「古代生物がやってきた!~時を超えた生き物たち~」

4/15(土)スタートの企画展「古代生物がやってきた!~時を超えた生き物たち~」。

「角川の集める図鑑GET!」とコラボレーションの企画展だそう。テーマは古代生物。古代生物といえば恐竜のようにすでに絶滅してしまった生きものを連想してしまうかもしれませんが、実はそうではなく。ここでいう古代生物とは「人類よりもはるか前に誕生し、姿や形をほとんど変えることなく【生きた化石】とも呼ばれる生き物たち」です。生きた化石ってフレーズは往々にして耳にしますよね。実際どんな生きものがそれに該当するんでしょうか?例によって初回に生体全部紹介しちゃいますね。

まずは……アッいきなりスゴイの来てしまいました。

先カンブリア時代(46億~5億4100万年まえ)、地球上で初めて光合成を行い酸素を生み出した微生物・シアノバクテリアです。つまりは全ての生命の源!

こちらがそのシアノバクテリアの一種………ッ!!!!

えっどれ??
…と言いそうになりましたが赤玉土の上のフワフワした、緑色の部分かな。水槽ですごい人工的な感じの緑色の藻みたいのが増殖してるときありますけどあれもシアノバクテリアなのかな??シアノバクテリアたちが出した粘液に泥とかがくっついて岩石になったのを「ストロマトライト」というそうです。オーストラリアのシャーク湾奥部に現存しているらしいです。パネル展示あり。

動物の種類が爆発的に増え、アノマロカリスが登場したカンブリア紀の次、オルドビス紀に入るとアゴの無い原始的な魚類が現れます。企画展のメインビジュアルの中でも特別に異彩を放つヌタウナギ Eptatretus burgeri です。石と石の間から下半身が見えていますね。2匹いるのかな?スナヤツメのようなエラ孔もちょこっと見えますね。

無顎類の絶滅したサカバンバスピスの復元画も必見。フィンランドヘルシンキ自然史博物館で展示されている復元模型が有名?ですが、誰が復元してもちょっと面白い感じになるのかな。

ヌタウナギ、顔もちょこっと見えました。

イラストで口みたいに丸く開いているところは鼻にあたる部分なのだそう。例によって平坂さんが獲って食べてるので、記事読んでみてください。面白かったです。

驚異の粘液深海生物?ヌタウナギを漁港で釣って食べる :: デイリーポータルZ


シルル紀に入ると陸上でくらす生きものや昆虫が出現。デボン紀前期にはハイギョの最古の祖先が現れました。こちらは現生するハイギョの中でももっとも原始的とされる ネオケラトドゥス・フォレストリー(フォルステリ)。

やあまた会えたねコッペパン。確かに他のアフリカ・南米勢にと比べるとネオケラだけ異質な感じがします。肺魚だけど肺呼吸はあまり得意でないらしい。

チャグロサソリの一種 Heterometrus sp. です。

最古のサソリの仲間はシルル紀の海に現れて、それからほとんど形が変わってないそう。えっ、海なんだ。

そうこうしてるうちに石炭紀です。石炭紀の地層からはクラゲの仲間の化石がたくさん見つかるそう。

展示種は ミズクラゲ Aurelia aurita です。 クラゲ、相変わらず撮るの難しい、、、

石炭紀にはゴキブリの祖先も現れました。ゴキブリも昔から姿が変わっていない、生きた化石のイメージ強いですね。

マダガスカルコックローチの一種 Gromphadorrhina sp. 。可愛らしく見える角度を追及してみました。マダゴキ、某職員さんが企画展担当のときに出現率が異様に高い気がする笑 

ペルム紀を経て企画展入口方面へ折り返し、オウムガイの現れた三畳紀も過ぎると中生代が始まります。

カブトガニシーラカンスと並んで生きた化石と聞いて連想する生きもののかなり上位なのではないかなと予測。ジュラ紀に入って原生種とよく似た形になったそう。こちらはアメリブトガニ Limulus polyphemus 。カブトがまんまるなのでメスでしょうか。日本のカブトガニと属が違うけどオスメスの見分け方は同じでいいのかな…過去記事読むとオスは前足がフックになってるそう。また今度観察してみましょう。


ネコザメ Heterodontus japonicus です。

サメも古い生きもののイメージですが、ネコザメはジュラ紀後期からほとんど形が変わっていないんだそう。目の上部の突起のために正面顔がネコみたいに見えることが名前の由来。

両生類成分来ました。オオサンショウウオ です。

もっとも古いジュラ紀オオサンショウウオには外鰓があった、とのこと。中国のチュネルペトン(Chunerpeton)というやつのことかな(今調べた)。体長18cmとのこと。

こちらのオオサンショウウオもお久しぶりですね。以前トトラボで1日限定で展示されていた個体だと思います。

京都の賀茂川で捕獲された、チュウゴクオオサンショウウオとの交雑個体だそう。くわえているのは脱皮がらw

おぉー。大きくなりましたね。

でもやはり斑紋の入り方が在来のオオサンショウウオと違いますね。顔の雰囲気は似てるような気がしますが。

意外かもしれませんがイチョウ Ginkgo biloba もいわゆる生きた化石。1科1属1種。栽培種ではない野生種の生き残りはごくわずかであることから、IUCNレッドリストでは野生種は絶滅危惧II類だそう。ウーパールーパーみたいなかんじでしょうか。

ちゃんと「生体」が展示されていますよ。秋の風物詩でもある落ち葉もレイアウトされていますが、そういえばイチョウの葉は分解にすごく時間がかかるので堆肥に向かないと聞きます。あと水分が多いので、昔は防火目的で植樹されていたそうな。

白亜紀来ました。恐竜が地上を支配していた時代。

シベリアチョウザメ Acipenser baerii です。種小名の頭文字が惜しい。白亜紀からほとんど形が変わらない、原始的な硬骨魚類。元気に泳ぎまくっています。しかし映り込みまくって最強に撮影が難しい水槽!

こちらも白亜紀からほとんど変わらない姿のポリプテルス・ポーリー Polypterus polli

ポリプテルス古代魚として展示されること多いですね。今さらですが幼生というか幼魚には外鰓があるんですね。肺呼吸もするようなので、ハイギョとか両生類に近い感じしますね。

白亜紀後期にはアミア属・ アミア・カルヴァ が出現。

先の企画展「スウィミングスタイル」でも展示されていました。ひらひらフリルの背ビレの優雅さと、古代魚っぽい厳つい顔のミスマッチが素敵です。

新生代です。ようやく哺乳類が現れました。というか最初の哺乳類は中生代の初期・三畳紀にまで遡りますが。

ヤマネの仲間はネズミ類でも最も古いのだそう。アフリカヤマネ Graphiurus murinus です。夜行性なのでグッスリお休みになられています笑 公式ブログによりますと、午後は顔を出していることもあるのだとか。夜は活発に動き回っているようです。

こちらも昼間は眠い子。ヨツユビハリネズミ Atelerix albiventris です。後肢の指が退化して4本なのが名前の由来。

………ウニですね。同じく公式ブログでは夜中に回し車を元気に回す姿が公開されています。企画展終わるまでに顔を見ることができるかな?

以上生体展示は全15種。他にも企画展期間、館内は古代生物仕様に。

3Fスロープの手前のスペースにはアロサウルスの頭骨が!こちらは岐阜県高山市で見つかったものだそう。

そして常設展示スペースにも古代種がいっぱい。

みんなたち、そうだったのね!?

トトラボにも身近な古代生物が紹介されています。


なっなんとースギナよ、お前もか。

人類なんてまだまだヒヨッコじゃわい……。

本物の、触れる化石もありました。

ロシア産のアンモナイトの化石だそうです。でかー!

企画展「古代生物がやってきた!~時を超えた生き物たち~」は7/9まで。
図鑑の世界に飛び込もー!!\(^^)/