きょうのアクアトト

世界淡水魚園水族館アクア・トト ぎふウォッチャー。週に一度はアクアトト。

2022/11/11 スナゴカマツカ

今回の企画展「ココがちがうんです!」、展示されている生体はアクア・トトがある岐阜県で観察できる生きものが中心です。岐阜県に生息していない&常設展示にいない生きもの(生体)は2種。つまりこの企画展期間中になるべくたくさん資料を記録しておくべき2種です。そのうちのひとつ・キタノメダカは以前特別展示で展示されていました。ということで今回ねちっこく観察すべきはこちら。

スナゴカマツカ Pseudogobio polystictus です。うわー見るの初めて!やばーい!!!!…だったのですが。これまでなかなか良い感じに全身の写真を撮れる日が無く、会期末も迫ってきたことからあさイチを狙って今日は観察しに来ました。撮れるかしら…。

おーっと!出てました!!初めて全身見れた~。歓喜!!

スナゴカマツカの「スナゴ」は「日本の童謡『たなばたさま』の歌詞に出てくる『きんぎん砂子(すなご)』に由来します」とのこと。2019年にカマツカ2種が新種記載されたときの論文のプレスリリースから引用。このプレスリリースはきょうトトのような素人にもとてもわかりやすいです。(引用してくださったオイカワ丸先生のブログも必読)

スナゴカマツカです。ぱっと見で、見慣れたいつものカマツカとの印象の違いを感じるのはまず斑紋でしょうか。

解説の「見分けポイント」では「暗色斑紋はぼやける」と表現されてます。手前の個体、背中側の斑紋はほとんどわからない感じですね。いやでも奥の個体は比較的くっきり…うーんやはりカマツカの中に新種が潜んでるって見当をつけた人やっぱりすごいかも。。

解説パネルによりますと、「カマツカ」と「スナゴ・ナガレ」の見分けポイントは、カマツカは「口ひげは短く眼に届かない」、スナゴ及びナガレは「口ひげは長く眼に届く」とのこと。ひげを後ろに倒した時に眼に届くかどうかってことですね。話がややこしくなるのを承知で言うと(言うな)トノサマは足を真っ直ぐ延ばしたときにかかとの位置が目を越える、的な。

先述のオイカワ丸先生のブログでも、まず見るべきは「口髭の長さ」とのことです。これもつかまえてみないとちょっとわかりにくいかも…。要はヒゲそのものの長短というよりは「吻の短さ」を客観的に表現してるのかな??確かに無印カマツカに比べると馬感が和らいでいるというか、顔が「魚に近い」感じしますね。

こちらはお隣りの区画、ナガレカマツカです。常設にも居ますけどあの水槽、底面が手前のフチ(巾木的なやつ)より低いのでちゃんとした写真は撮れないんですよね。と思うとこちらも企画展の間に撮りまくるべき対象だ。

こうして改めて見比べてみるとやはり吻が短い…。そして3種の中で模様が一番明瞭なのがナガレカマツカなんだそう。スナゴとナガレはほんらいの分布域が違うそうなので、無印とナガレの見分けが必要なことが一番多いのかな。

こちらは無印カマツカ。常設に居て、しかも水槽の内側のでっぱり部分に乗っててじっくり観察できる機会も多く、写真雑ですみません……(言い訳)。うーん斑紋だけ見るとナガレとの違いは正直よくわからない、、、

この展示のカマツカは他の2種とサイズを合わせるためなのか小さめですが、常設のカマツカはとにかく「でかい!!」の一言ですね。「見分けポイント」にも「最大全長は30cm近くにまでなる」と記述してあるので間違いない。あと胸ビレの形状にも違いがあるようなのですが、うーん難しい。3種とも尖ってる部分はあるように見えるので外縁が「丸い」「尖っている」というのはきょうトトが思ってるのと違うのかも。

見分けポイントと分布図を載せておきます。

「現在カマツカは移植なとにより東日本にも分布しています」とのこと。西日本産のアユの放流に混じってしまったのかも?いつものことですが日本列島の成り立ちの歴史を紐解く生き証人の理解が一歩進んだというのに、同じ人類の手によって台無しにされるのは大変残念なことです。

おまけ。

「見分けに挑戦!なにドジョウ?」の「なにドジョウ」のお子さまが観察されました。かわいいですね(はあと)