きょうのアクアトト

世界淡水魚園水族館アクア・トト ぎふウォッチャー。週に一度はアクアトト。

2020/12/31 エイってなんの仲間?

企画展「トゲめくエイ」開始から明日で2週間です。まず最初にエイってなんだろう?って考えつつ、モトロ、ポルカドット以外の展示種を見ていきましょうか。

f:id:aquatottotoday:20210102105921j:plain
エイはサメと同じ軟骨魚類。エラが板を並べたように見えることから板鰓類と呼ばれるそう。

こちらはアカエイ Hemitrygon akajei 。日本を含む東アジアに分布、釣りしてる人のSNSでもよく見かけますね。エラ孔が5対、きれいに並んでいます。トビエイ亜目の検索を見ると、エラ孔が6対ある「ムツエラエイ科」というのもいるようですが、サメもエイも基本は5対。
f:id:aquatottotoday:20210102105924j:plain
そして淡水エイといえばやっぱり円盤のような円い形ですが、この円い形を作っているのは「胸ビレ」。このアカエイだと黄色い部分(腹ビレ除く)ですね。わかりやすい。いわゆるエイヒレかな。企画展中で最も無眼側(おなか側)を観察しやすいのがこちらのアカエイ。よく泳ぎ回っている上、底面が鏡になってるので底にじっとしていてもおなかを観察できる仕様になってます。エイの裏側、ゆるキャラみたいで可愛いですけど目のように見えるのは「鼻孔」です。

目はここ。ヘミトリゴン・ラオスエンシス Hemitrygon laosensis 、なかなかの目ヂカラ。アカエイの近縁種で、メコン川の(たぶん)固有種。
f:id:aquatottotoday:20210102105929j:plain
目の後ろにあるエラっぽい穴は「噴水孔」で、「ここから水を取り込んで、腹側のエラ孔から出してエラ呼吸」してるんだそう。なるほど~。しかし水を吸っているのに噴水孔とはこれいかに…排出もしているのかもしれない。あと東南アジアの淡水エイといえば企画展出口付近に結構衝撃的な展示があるのでぜひお見逃しなく。

そして企画展のタイトルにもなっているのが「毒トゲ」。砂の中から覗いていますね。
f:id:aquatottotoday:20210102105932j:plain
フラワータイガースティングレイ Potamotrygon menchacai 。花柄模様が自慢のエイですが、今日は完全に潜っていてトゲしか観察できませんでしたw 

毒トゲを持っていない種もいるようですが、アカエイの仲間の多くは尾の背面に1~2本の毒トゲを持っているそう。
f:id:aquatottotoday:20210102105936j:plain
トゲに関しては独立コーナーに標本コレクションがあります。館長秘話もぜひチェック。

尾ビレといえば、こちら、プレシオトリゴン・ナナ Plesiotrygon nana
f:id:aquatottotoday:20210102105942j:plain
長い、長いよシッポが…!体盤長のなんと5倍て。アマゾン川の上流から中流、支流に生息していて、モトロやポルカドットなどが属する完全淡水対応のポタモトリゴン科の中では最小種。2011年に新種記載され、生態などわかっていないことが多いそう。検索すると、なかがわ水遊園さんで繁殖成功、という記事がヒットしました。なにげに今回の企画展で一番レア種なのかもしれない。繊細な模様がとてもきれいで愛嬌のある顔してます。またいずれ…

あとエイは魚の中でも特別に外見でオスメスの見分けがしやすいかもしれない…という展示がこちらのクロコダイルスティングレイ Potamotrygon sp.
f:id:aquatottotoday:20210102105945j:plain
派手な柄にまず目が行ってしまうクロコダイルですが、オスとメスがそれぞれ別の水槽で並んでいて、違いを観察しやすくなっています。こちらはオス。尾ビレの付け根からなんかニュッと伸びてますね。これはクラスパー(交接器)というそうで、腹ビレの一部が変化したものなのだそう。交尾のときにメスの総排出口に差し込んで体内受精させるそうです。おちんちんが2本…。Why……。繁殖方法もエイは独特なようなのでまたいずれ。

あーっと、もう一種いました。
f:id:aquatottotoday:20210102105950j:plain
フラワータイガーと同じく、完全に潜っていました。辛うじて目が見えていますね。3匹いるのかな。フラワータイガーは前回はよく観察できたのですが、こちらのエイたちはまだ全然見れてませんw 導入部にはドーンと写真が出ていますが、観察出来たらまた改めて紹介しますね。